2026/09/03
バークリーサマーセミナー2026 レポート
世界を代表する音楽教育機関であるBerklee College of Music(バークリー音楽大学)の教授による特別サマーセミナーを今年も2日間にわたって特別セミナーを開催しました!

8月23日には、表現力豊かでバイタリティあふれるデボ・レイ(Debo Ray)氏のヴォーカルレッスンからスタート。アメリカ出身の多才なパフォーマーであり教育者でもあるデボ氏は、ウォームアップ、リスニング・スキル、歌詞の解釈、そしてパフォーマンス技術に至るまで、多岐にわたる充実したセミナーで参加者を魅了しました!

セミナーは、デボ氏のキャリアの歩みの紹介からスタートしました。続いて会場全体で声のウォームアップを行いました。身体をリラックスさせるためのエクササイズから始まり、声が持つ多様なトーンの可能性を探求。デボ氏が声の「ダーク(暗い)」なトーンと「ブライト(明るい)」なトーンを交互に切り替えて実演すると、参加者からは歓声が上がりました。

声の探求に続き、音楽そのものを深掘りするセッションへ。ビル・ウィザーズ(Bill Withers)の『ラヴリー・デイ(Lovely Day)』を聴きながら、曲を個々の楽器とその特徴ごとに解体して分析。ドラムのリズム、ギターの音色、弦楽器のダイナミクス(強弱)などを聴き分け、それらの音楽的テクニックを自身の歌唱に取り入れることで、表現の幅を広げる方法を学びました。
また、デボ氏は「歌う曲の意味を理解すること」の重要性を教えていただきました。自分自身の体験から直接語りかけるように歌う場合でも、自分にはあまり馴染みのない曲の場合でも、その詞の意味をどのように「体感」していくのかのプロセスをレクチャーいただきました。

24日、バークリー・サマーセミナー2日目は、マイク・タッカー(Mike Tucker)氏、デボ・レイ(Debo Ray)氏と共に「The Art of Live Performance Seminar(ライブパフォーマンスの技術)」を開催しました。

神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校のライブステージには、スペシャルゲストに、小沼ようすけ(Gt)氏、宮地遼(Ba)氏※甲陽卒業生&講師、Kan(Per)氏からなる「acustica(アクースティカ)」も登壇。この特別なクインテットによる「All The Things You Are」やルー・ドナルドソン(Lou Donaldson)のブルース曲といったジャズ・レパートリー2曲でユニークな演奏でセミナーがスタートしました。

ブルース曲の演奏から、最初のテーマである「音楽における表現」についてのディスカッションへ移行。マイクとデボの両氏は、音楽とは単に音符を並べるだけでなく「どのように演奏するか」が重要であるかを実演しました。さらに、楽曲の形式(フォーム)やコード進行のアプローチについても議論が行われ、受講生全員で歌いながら耳を鍛えるトレーニングも指導いただきました。

続いて「Chain of Fools」のパフォーマンスが行われた後、いよいよ参加者する学生もステージへ。マイク氏とデボ氏の両講師から直接アドバイスを受けながら、曲に合わせて一人ずつソロ回し(即興演奏)にチャレンジしました。

最後は、セミナーの通訳でもあり、バークリー音楽大学留学コースを担当する岡居先生も交え、在校生およびバークリー留学を志す学生達を対象としたトークセッションも開催。アットホームな雰囲気の中、リズムの練習法やトランスクライブ(耳コピ)といった技術的な質問から、音楽で生計を立てる方法やキャリア選択に関するアドバイスまで、オープンなやりとりが行われました。

次回は、
バークリー音楽大学 入学説明会 JAPAN 2026
9月6日(日)16:00〜
神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校 3Fプレゼンルーム
バークリーサマーセミナー2026
講師紹介
ディボ・レイ Debo Ray(Voice)
ヴォーカル科助教授
担当科目:ヴォーカル・プライベートレッス ン、リサイタル・プリパレーション
バークリー音楽大学 卒業生。
数々の受賞歴を持つシンガー/パフォーマー、デボ・レイは、ジャズ、R&B、ファンク、ロック、ワールドミュージック、メタル、さらにはオペラまで自在に歌いこなす、卓越したボーカリストです。
2022年には、NEAジャズ・マスターの Terri Lyne Carrington 率いるバンド「Social Science」での活動によりグラミー賞にノミネートされました。これまでに Newport Jazz Festival や Monterey Jazz Festival、Carnegie Hall、Hollywood Bowl など世界的な舞台に出演しています。
自身の音楽は、ハイチ系アメリカ人の家庭で育った経験や心の葛藤、人間関係、希望や愛をテーマにしたもので、R&Bを軸にヒップホップ、ジャズ、ロックを融合した“ジャンルを超える”スタイルとして高く評価されています。
近年発表したEP『Echoes and Embers』は、グラミー賞受賞プロデューサー Prince Charles Alexander が手掛け、卓越した歌唱力と作曲家としての成長を示す作品となっています。
現在は Berklee College of Music ヴォーカル科の助教授を務めるほか、ヴォーカル学習アプリ Voice Craft Studio を開発。2026年には「Social Science」のメンバーとして Newport Jazz Festival への出演が予定されています。
マイク・タッカー Mike Tucker(sax)
ハーモニー/ジャズ作曲科 音楽教育科准教授
担当科目:ハーモニー、ジャズ・インプロヴィ ゼーション 等
バークリー音楽大学 卒業生。
グラミー賞ノミネート歴を持つサックス奏者マイク・タッカーは、ダイナミックな演奏で国際的に高く評価されています。特に伝説的トランペット奏者 Arturo Sandoval との共演で知られ、世界30か国以上で演奏活動を行ってきました。
リーダーおよびサイドマンとして40枚以上のレコーディングに参加し、ソロ名義で4作品、ベーシスト Dave Zinno 率いるユニスフィアとの共同名義で3作品を発表。ジャズからR&B、ソウルまで幅広いジャンルで活躍し、多くの著名ミュージシャンと共演しています。
主な共演者 Arturo Sandoval、George Duke、Branford Marsalis、Esperanza Spalding、Fred Wesley Pee Wee Ellis、Lettuce、Soulive Joe Lovano、Christian Scott。
2002年には権威ある Thelonious Monk International Jazz Saxophone Competition のセミファイナリストに選ばれました。
現在は演奏活動に加え、バークリー音楽大学准教授および New England Conservatory 講師として、サックス、即興演奏、ハーモニー、アンサンブル指導にも力を注いでいます。




